40数年前に初めて買った、正確には買ってもらったエレキギター、Greco EG900です。
1977年製です。
自分の記憶では1958年から60年製のGibsonレスポールが特別な物として意識される様になって間もない頃だと思います。お茶の水のESPに59年製レスポールスタンダードが無造作にぶら下げられているのを見かけたことがあります。200万円の値札が付いていました。
当時は今以上にエレキギターの音はピックアップで決まると考えられていたように思います。Gibsonのヴィンテージレスポールに積まれたPAFと呼ばれるピックアップ が特別な影響を与えていたと思います。
PAFを再現したのはディマジオ社が最初かと思います。
このディマジオPAFを搭載したギターがEG900です。販売価格は90000円でした。
当時ディマジオPAFが25000円でしたので、ピックアップだけで5万円です。残りが4万円で、実際のところ表はプレーンですが、しっかりと厚みのあるメイプル2枚で、ギブソンと変わりないです。ただ、バックのマホガニーはいくつかのブロックが張り合わされている形跡があります。ネックも3本ぐらいで張り合わせています。かなり細めにネックなので、反りを防ぐにはこの方が良いのかもしれません。
さて、私の所有しているEG900ですが、満足にギターが弾けない頃から8年ぐらいメインで使っていた物ですから、かなり傷んでいました。フレットも擦り減るどころか、えぐれているのがはっきりと分かり、ブリッジの上部がすり減って外せなくなっていました。それと汗が染み込んで腐食して断線したのかリアピックアップは鳴らなくなりました。
20年ほど前に、うまく治らないものかと思い、ブリッジ、ペグ、そしてピックアップを交換しました。ピックアップは当時のリプレイスピックアップの定番ともいえたダンカン製のSH1です。フレットのすり合わせが出来ていないので弦高が高い状態でしたが十分に使える状態になりました。ただ、SH1の音が今一つ好みでは無く、ほとんどケースの中で眠らせていました。
以前、Epiphone Les Paul Studio LTのピックアップをディマジオPAF Masterに交換したことがありまして、
それで、EG900って細いけど凄くパワフルで破壊的な音がしたんだよな、と思い出し、なんとかあの音を出せないかと思い。
おそらく初代のディマジオPAFに一番近いだろうと思われるPAF ClassicをEG900に載せてみることにしました。ついでにフレットのすり合わせもしました。
コンデンサーはよく見かける緑色のフィルムコンデンサーでしたが、今回オレンジドロップにしてみました。どれほどの違いがあるのかよく分かりませんが、
最終的な見た目はほぼ購入当時と同じです。
ただ、ひとつ大きな問題が生じました。
テールピースに落とすアース線が抜けてしまいました。おそらくテールピースのネジが入るアンカーに挟まる形でアース線が繋がれていたと思われ、元通りにするのは無理でした。
エスカッションの隙間からアース線を外へ出して、テールピースに挟んであります。
目立ちますね(´ω`)
肝心の音ですが、まさに59年ギブソンレスポールの枯れ切ったヴィンテージトーン・・・
を無茶苦茶細くした音です。
ほぼ元どおりの音だと思います。ただアース線の影響もあるのかノイズ対策を見直さないと実用としては厳しいかなと思います。
neck側の音だけ少しどうぞ!