HIDE's Studio

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YAMAHA Pacifica(パシフィカ)は実際どうなの?

YAMAHA Pacificaは日本メーカーの量産ギターでは代表的なブランドの一つだと思います。

最近はネット上、特にYouTubeでは抜群のコストパフォーマンスでお勧めギターとして注目されています。

YAMAHAエレキギターといえば1970年代から80年代にかけて、カルロス・サンタナ高中正義が使用したSGモデルが有名でした。2ハムバッカーの、ほぼレスポール をダブルカッタウェイにしたようなデザインで、ギブソンレスポールよりもクリアな柔らかいトーンが売りだったと思います。当時、国産ギターで世界に通用する数少ないモデルだったといえます。

PacificaはSGモデルの後はしばらく注目されることのなかったYAMAHAが、新しい可能性を求めて発売されたモデルと記憶しています。1990年代の前半だったと思います。Pacificaはセミオーダーという特殊なシステムで高級モデルを発売しました。

私もH-S -Hのディマジオスパーディストーションをのせた、エボニー指板、ワーモス製シンネックのモデルを作ってもらいました。

今でも十分に高級なギターだと思います。

そして、この当時のオーダーにより求められるギターの装備やカラー、ボディや指板の材質等々の要素をもとに現在のPacificaのラインアップが生まれたのではないかと思います。

安価で使いやすい、求められる必要条件を満たしたモデルが作られたのではないかと思います。

現行のPacificaの特徴は、とにかく弾きやすいです。

先のセミオーダーモデルは別として、これまでPacifica112V、120H、612VⅡを使ったことがり、120Hと612VⅡは今も手元にあり最近も使っています。

まず共通の特徴として言えるのは先に書いた通り、とにかく弾きやすいです。弦高はどのモデルもそこそこ低くなります。どんなジャンルでも対応できる範囲で調整できます。

それとYAMAHAのギター、楽器全般がそうだと思うのですが、音程が完璧にあっています。当たり前だろうと思えることですが、実際ギターという楽器は特に高音のポジションになると音程が微妙にずれている感じ、多くの場合、あくまで感じなんですが、オクターブ調整のズレとは違うんです。それがビシッと合っている感じなのがPacificaです。

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Pacifica120H

 それぞれのモデルごとの特徴ですが、120Hはアルニコ5の2ハムバッカーです。アルニコ5の特徴としてビンテージ寄りの音色と言えます。しかし、112Vもそうですが、ミッドレンジが強く高域が毛羽立った、ハードロック、ヘビーメタルな音です。大きく分類してしまうとチープな音と言えます。これはアルダーボディとハムバッカーの相性かもしれません。ピックアップが優勢になりサスティーンも弱く、高音が痩せてしまいます。トーンコントロールをpullでコイルタップできますので、シングルの方が幅広いジャンルに使えるかもしれません。

 112VはネックとセンターにシングルPU、ブリッジ側にハムバッキングPUでトレモロアームも付いています。

ピックアップ の特性、音色に関しては120Hと同様です。高域がシャリシャリしてますのでハーフトーンは綺麗に鈴鳴りします。

弾きやすさ扱いやすさは申し分ないですが、やはり音はチープです。ただ3万円台でここまで鳴っていれば十分なのかと思います。音のみの評価で言えば個人的には同価格帯あるいはそれ以下のepiphoneの方が良いと思います。

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612VⅡFM

さて612VⅡFMですが、現行のPacificaでは最高級モデルです。実売価は7万円程度です。

この価格帯でこのスペックは信じられないです。SーSーHのピックアップは全てSeymour Duncan製です。チューナーはGrover製ロッキングチューナー、ブリッジはWilkinson製等々となっています。

ボディはアルダーで表側に薄いフレイムメイプルのフィルムが貼られています。ネックはきっちりと塗装されており、それがとても滑らかで弾き心地が良いです。

音は完璧です。十分に完成された音だと思います。個性的ではなく、主張もなく、優しくまとまった音なのでどんな音楽でも対応できそうです。

しいて難を言えば、ボリュームポッドがガリが出やすく本気で使うなら交換した方が良いでしょう。それとピックアップ の高さ調整がしづらいです。シングルの方ですが、高さを下げようとネジを回すとネジだけ浮いてしまいます。押し付けるようにして回したら下がってくれました。

まとめますと、Pacificaは低価格モデルでも非常に弾きやすく楽器としての精度が高く入門者におすすめと言えます。

上位モデルは、もちろん入門用にもおすすめですし、プロ・アマ問わずコストパフォーマンスを考えたら1本持ってて損はないギターです。

2本目以降のギターとしては上位モデルの方が良いと思います。

楽器店で試奏したら衝動買いしてしまう可能性が高いギターだと思います。

 

 ↓Pacifica120Hを使用してます。

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