ここ数ヶ月でエピフォンのレスポールを4本ほど買ってしまいました。
さほど高価なものではありませんが、1万円台から6万円程度の其々に個性、特徴のあるもので、どれも気に入っています。
レスポールというのは言わずと知れたGibson社のエレキギターの製品名です。昔から人気のあるギターですから、同じ形の同じようなギターがコピーモデルとして多くのメーカーから販売されています。ただ、レスポールと名乗れるのはGibson製と、その子会社であるEpiphone製のものだけです。
EpiphoneがGibson社の傘下にあることは知っていましたが、ここ20年程度のことかと思っていたら、1957年に吸収されていたんですね。
さて、GibsonとEpiphone、同じ系列のメーカーで作られたレスポール。これは同じレスポールなのでしょうか?
もちろんEpiphoneは廉価版、Gibsonは高級品、超高級品を作る事で棲み分けています。
ギターの価格は何で決まるのでしょうか、
*いかに良い音がする楽器を作るか、という事が前提にはなるのでしょう。
それと所有者を満足させる高級感や美しさ。特にレスポールはメイプル材の木目の美しさに価値を感じさせています。
希少な木材や高価なパーツ類、手間のかかる装飾、そしてそれを作る職人の技量。
こういったものが価格に反映してくるのかと思います。
確かにEpiphoneのギター はギブソンに比べると細部の塗装や仕上げなどにも雑さが見られます。
フレット端のバインディングは上位機でもありません。
今回、My soulful roadで使用したLes Paul Custom Proはピックアップ取り付け穴のルーティングの際に付着した木屑が塗装の中に閉じ込められています。見づらいと思いますが、エスカッション脇に肌色の小さな付着物があります。
さて、散々Epiphoneを貶すようなことを書き連ねましたが、よく考えてみると塗料に閉じ込められた木屑は全く音には関係ありません。
手間のかかるバインディングもインレイなどの装飾も、肝心の音には関係ないです。
きれいな木目、高価で希少な木材が必ずしも良い音につながるとも言えないのでは、経験的にギターに向いている木は知られていますが、すべてが高価なものではありません。木材の乾燥状態 のほうが音にも楽器としての耐久性にも大きく影響するでしょう。
ピックアップの違いはエレキギターの音に決定的な影響を与えますが、音の善し悪しというより特徴、個性の違いだと思います。ジャンルによってはアルニコ・マグネットよりも安価なセラミック・マグネットを使用したハイパワーなピックアップが好まれたりもします。
生産コストが多くかかれば販売価格は高くなります。
GibsonのレスポールのほうがEpiphoneのレスポールより生産コストがかかっています。
価格を抑えるためにEpiphoneはコストを掛けないようにしていると言ったほうが正しいのかもしれません。
今回のテーマはGibsonとEpiphone、同じ系列のメーカーで作られたレスポール。これは同じレスポールなのでしょうか?です。
結論は“違う”だと思います。
ギブソン製は1980年台の カスタムショップ製と1990年台初期のレスポールを所有していますが、素直に良い音がすると思います。
ボディの鳴りが良いのでピックアップに依存しない楽器らしい響きがあります。木材の質とその組立技術の高さが背景にあると思います。
其々の楽器個体の特徴を活かした強い音がするのがGibsonの特徴だと思います。芯の太い低音と高域の響きは、ならではのものと思います。
ただ裏を返すと、しっかりと個性としての音が出来上がっているので、どんなことをしてもその楽器の音になってしまう。大げさに言えばそのギターに合わせて音楽を作らなければならないと思わせるところがGibsonレスポールにはあります。
一方Epiphoneは、透明感のある鳴り、Gibsonのようなガラスが砕け散るような高域の響きはないですが、統一感のある6弦の開放から1弦22Fまで同じ鳴り方をしてくれるような安心感があります。
ジャンルを問わずに使いやすいレスポールだと思います。
もともと、Gibson傘下に加わる以前から持っていた楽器作りの方向性が今でも貫かれているのではないかと感じさせられるところがEpiphoneのレスポールにはあります。
ご承知かと思いますが、レス・ポールはアメリカのギタリストの名前で、エレキギターを発明した人です(正確にはソリッドボディのエレキギター)。
レス・ポール氏とともにエレキギターの開発に関わったのはEpiphone社だったそうです。
EpiphoneのレスポールはEpiphone・LesPaulです。Gibson・LesPaulには及ばなくても、勝っているところもある非常に良い音が出せるギターだと感じました。
何より安い。十分の一ぐらい?