HIDE's Studio

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続編!YAMAHA Pacificaは実際どうなの?

前回の投稿から間が空いてしまいましたが、

今回は現行のYamaha Pacificaではなく90年台のセミオーダー品に関してです。

ヤマハ | ヤマハ ギターの歴史 - スペシャルコンテンツ

YAMAHAのオフィシャルサイトにYAMAHAギターの歴史を紹介するページがあり、1993年にPacificaのセミオーダーシステムが紹介されています。

自分のギターをオーダーして作るなんて、ギタリストなら誰でも憧れることだと思います。ただフルオーダーとなるとどれだけ費用がかかるかもわからずとても敷居の高いものです。

今でこそネットで選択項目をチェックして注文なんてことが可能な時代ですが、当時はチラシと薄いカタログでした。そこに書かれた項目を選び楽器屋さんで注文です。自分は銀座のYAMAHAで注文しました。選択できたのは、覚えている限りで、ボディカラー、ボディ材(アルダー・バスウッド・アッシュ?)、フレット(ノーマル・ジャンボ)、ネック形状(ノーマル・シン)、指板(メイプル・ローズウッド・エボニー)、金属部品(クローム・ゴールド、ブラックがあったかも)、ピックアップ配置(SSH・HSH・・)、ピックアップ(ディマジオ製が数種類だったような)。

塗装はラッカートップです。かなりデリケートな仕上げです。ネックは当時人気だったWarmoth製です。

自分が作ったのはナチュラルのアルダーボディ、シンネックにエボニー指板、ゴールドパーツでHSHでディマジオスーパーディストーション、ブリッジ側に高出力のものを選びました。

 

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パシフィカセミオーダー

制作したクラフトのサイン入りIDカードが添えられています。

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IDカード

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Warmothのロゴ

音に関してはスペック通りの完全なロック仕様で歪系向きですが、ハーフトーンは見事な鈴鳴りでクリーンなカッティングにしか使えないほどです。

ボルト音ネックジョイントですのでレスポールほどのサスティーンは効きませんが、安定したボディネックの鳴りに支えられ歯切れの良い中にも粘りのある音がします。

どのポジションでも同じ響きがしますし、当然ながら音程も完璧、シンネックですのでチョーキングの多用には不向きなところはありますが現行のパシフィカに比べると数段上です。プロ用とプロでも使えるの差と言えるでしょう。

購入直後にネックが逆反りしましたが、一度ロッド調整を自分でしただけで問題ないです。おそらく輸入ネックのシーズニングが不十分だったのでしょう。

当時、受注したデータを元に現行のパシフィカのラインナップが揃えられているのかもしれません。HSHがないのが不思議な感じはしますが・・・

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経年変化によるクラック

ラッカー塗装ですが、ギブソンなどの硬い塗面ではなく、古いフェンダーがそうなのかと思うのですが、塗面が経年変化で自然に割れてしまい、保管環境がよくないとボロボロに剥げていくのかと思います。30年近くになりますので仕方ないでしょうが、先ほど写真を撮っていて気がつきました。

新たに手に入れるのは難しいギターかと思いますが、Pacificaの原点はクラフトマンが丁寧に手掛けた1本、1本であり、そのノウハウの結集が現行品なのだと思います。

入門用からスタートしたわけではない。安くて良いギターではなく、良いギターが安くなったと言うべきなのでしょう。

 

No8

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