HIDE's Studio

音楽制作、楽曲発表についてとか

今聴くべき昔のロック名盤

 音楽はいつでもどこでも、そこら中に溢れているといっても良いぐらい、意図せずとも耳にしている事が日常だと思います。年齢に関わらずいくつになっても音楽が好きで、聴き続け、関わり続ける人もいれば、それほど積極的な興味を持っていない人もいると思います。

若い頃、十代の頃は好きな歌手、アーティストがいて、熱心に聞いていたが、いつの間にか興味も薄れ、あまり聞かなくなってしまった人たちが大多数でははないかと思います。

昔はレコードでした。そしてCDになりました。アルバム1枚2500円しました。10代には大きな買い物です。大切なレコード。何度も繰り返し聴きました。僕らの世代だとレコードがすり減るといけないので、買ったり、借りたレコードはすぐにカセットテープに録音しました。

音楽が大切で価値のあった時代だと思います。

今は、最新の楽曲も僕らが聞いて育った大昔の曲も、ほとんどタダ同然で聴ける環境になってきました。

レコード、CDの後、ダウンロード販売が主流になり、これからはストリーミング主体の定額で好きなだけ聞けます。

良い時代になったかのようですが、かえって良質の音楽が生まれにくくなっているのではとも思います。

特に古いものにこだわるつもりはないですが、これまでに自分が興味を持った、感動した良質の音楽をここで紹介したいと思いいます。

基本的に私はロックしか聴きません。ブルース系のハードロックやメタル系が好きです。

しかし、これまでに最も優れたロックアルバムを1枚あげるとしたら、

ロキシーミュージックの「アバロン」です。グラムロックと呼ばれた無骨なブルースロックとは異なり、おしゃれなロックジャンルです。ロキシーミュージックはデビットボウイやTレックスとともにグラムロックの代表的存在でした。

 

 10枚ほどのアルバムを残したロキシーミュージックはこのアルバムを最後に活動を停止しました。

そしてこの「Avalon」は、まるで完全なものを作り上げたのでこれ以上続ける必要は無くなったとでも言いたげなぐらい完成度の高い1枚です。

まずこのアルバム全体に流れる透明な空気感とでもいうか、独特の統一された雰囲気がありながら飽きさせません。

何よりこのアルバムはレコード販売が最初です。

つまりアナログ録音。今はもう使われない太いテープに録音されて作られたものです。現在のような修正やエフェクト処理を繰り返せる時代ではありません。一発録りとまではいかないまでもそれに近い録音方法で撮ったものです。

70年代80年代はアルバム全体の統一感、テーマが重視されていたと思います。アルバム全曲を収録順に聞くことで伝わってくるものがありました。「 Avalon」は一つの世界観を感じさせるアルバムで、 まさに伝説の一枚だと思います。ロックミュージックが消耗品の大衆音楽ではなく芸術、文化としての価値を持っていた時代の作品であるから、今聴いても、当時と同じ世界が広がってくるのだと思います。そこに懐かしいといった感情が入る隙はありません。